<内容>
【建物の敷地・駐車場】
駐車場には、身障者用駐車場の区別はされてないものの、屋根つきの駐車場があり、雨の日などの乗り降りは快適だと思います。玄関前にはたくさんの植物や花が置かれていて、落ち着いた雰囲気でした。
【玄関・ロビー】
道路とホテルの入口までには大きな段差はなく、車いすでも十分通れます。玄関を入ると、ロビーの前で靴を脱ぎ、上にあがらないといけないので車いすの場合は介助が必要です。出入り口のドアは手動の引き戸になっています。やや重たさを感じますが、幅は十分とってあるので、車いすや介助者が並んで同時に入ることも可能だと思います。ひとりでにドアが閉まる心配もありません。
フロントには老眼鏡が3本用意してあり心遣いを感じます。館内のパンフレットはもちろん、その他にも八代(日奈久)の絵地図や、周辺の日奈久温泉旅館組合加盟の宿の温泉のチラシなど、多数チラシも用意してありました。スタッフの方はとても明るく対応してくれます。
お客様の要望に合わせた特別食にも対応可能で、今までに来られたお客様の例として、血圧の高い方のための食事、生魚の食べれない方の食事、やわらかく、食べやすい料理などを作ったそうです。"
【廊下】
エレベーターはないので、ロビーから客室にいくまでには階段を利用する必要があります。車いすでの利用には介助が必要です。階段は高齢者の方や身障者の方を介護する人が身体を支えながらのぼる広さ(幅)は十分ありました。歩行者同士がすれ違うにも十分です。サイン(表示板)は大きくて見やすく、トイレの表示もトイレ付近の壁にも別に張り紙がしてあります。
【客室】
全室和室。16室中8室にトイレがついています。出入り口の幅は少し狭く、段をあがって部屋に入るようなつくりになっていました。浴衣や入浴セットもあります。部屋での食事、大広間での食事、どちらも可能だそうです。ウォシュレット付きの洋式と和式の両方があるトイレもあり、洋式の方は手すり付きで便器の高さも低めで座りやすいと思います。
【大浴場・家族風呂】
男女別の浴場。すべり止めのために入口や洗面台の前にはマットがあり、浴場への戸は引き戸になっています。脱衣場への入口はスロープになっていますが、傾斜が少し急なので車いすの場合、注意が必要です。大浴場に非常呼び出し電話があります。脱衣場に木の椅子があり、小さなこしかけ椅子のようなものもあります。冬は大きな晩白柚をたくさん湯船に浮かべて入れる「晩白柚ぶろ」が目玉です。とてもいい香りがしてお客さんもたいへん喜んでいかれるそうです。
【その他】
ホームページ: http://www1.ocn.ne.jp/~siranuhi/
【施設の対応状況】
多目的トイレ・身障者対応トイレ(あり)、特別食の対応(可能)、ご意見箱設置(あり)
<感想>
昔ながらの風情のある和風旅館ですので、つくりの面ではまだまだユニバーサルデザインに取り組むところがたくさんあるとは思いましたが、お客様に施設を快適にご利用していただくための工夫と、癒しの空間づくりという点で、ホテル従業員の皆さんがサービスのユニバーサルデザインを実践されていると思いました。(小路)
高齢者の方へ配慮してある箇所がたくさん見受けられました。従業員の方々はとても親切で笑顔が素敵です。お客様の要望にできる限り対処してくれるそうです。(勝木)
(UDリポーター 勝木晶子、小路千晴)
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玄関の様子
脱衣場への入口
和室
洋式トイレは手すり付き
晩白柚風呂
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